2023年1月27日

スタンダードブックストアで開催された、赤染晶子さんの『じゃむパンの日』刊行記念トークに行ってきた。外は寒く、書店の中は暖かい。

 

『じゃむパンの日』をより楽しみたかったことや、個人出版社のpalmbooksに興味があってということもあるが、ゲストの津村記久子さんが喋っているのを聞きたかった。一時期、職場で使用している手帳の最後のページに、津村さんの『職場の作法』で田上がノートに書いている文章を書き写しており、仕事中に「助けて」と思った時などにエレベーターやトイレの中でそれを読んで深呼吸していた。そういうこともあり恩義を感じている津村さんは、その著作のように軽快かつ信頼のおける話し口で、それを伝えられる機会はなかったが、好きです、ありがとう…と念じていた。

 

赤染晶子さんのエッセイは、そのひとつひとつが優れた短編小説のようだと津村さんが話していた。確かにそれを読んでいると、世界はこういう場所であってほしい、いや私には見えていないだけで、本当はこんなに優しく可笑しい場所なのかもしれないと思えてくる。それは赤染さんの観察眼や想像力や文体、愛のある装丁、それから何によるものだろう。

 

買って帰ったパンデュースの特製じゃむパンを食べ、熱いシャワーを浴びて眠る。