療養生活5日目

昨日の昼食に義父から頂いたふるさと納税返礼品のパンを食している時にも、かなり鼻を近づけないと香りを感じられず、長年の念願であったZopfのパンを存分に味わえないのは惜しいが、鼻炎がある今は仕方がないなとその時はたいして気にしていなかった。しかし、ロクシタンのハンドクリームの香りをうっすらと嗅ぐことができたのがおそらく最後で、これは何かおかしいと思い嗅いだアロマオイル、シナモン、洗剤などの匂いが全く感じられず、次に同じハンドクリームを嗅いだときにはその匂いも分からなくなっていた(のちにオタフクソースとごま油の香りのみは微かに分かることが判明)。

 

調べる限り嗅覚障害の確実な治療法は確立されておらず、多くは1ヶ月以内に改善するが、まれに長期間嗅覚が戻ってこないケースもあるとのことで急に不安になる。

 

食事も甘い、辛い、しょっぱいなど大まかな味は感じられるものの、香りがしないことで、こんなにも味わいが平面的になるのか。興味深く感じる一方で、食の楽しみが半減していることの悲しみと残念さが大きい。「実際に経験してみないことには分からないな」とありきたりなことを思う。

 

病によって以前とは違う自分になった人たち、みんなもっと不安な時間をやり過ごしているのだろうか。病と隔絶と孤独について、人間の分かり合えなさとそれでも生きていくことについて書かれていた頭木弘樹さんの『食べることと出すこと』を今すごく読みたいが、手元になく叶わない。